他人の目を気にしない生き方を望む方へ 【ブックレビュー】後悔しないこれからの働き方
こんにちは。
今日の一冊はこちらです。
◆「後悔しないこれからの働き方」―佐々木 常夫 (KADOKAWA)
佐々木常夫さんの本ですが、実は今まで一度も読んだことがありませんでした。どんな小さな本屋さんにも一冊は置いてあるので気になってはいたのですが…
ちょうどそんな時に、あるお客様が転職の報告をした僕に向けて、エールの意味も込めてわざわざ九州からこの本を郵送して下さりました。
一言で感想を述べると、「佐々木さん自身の多大な苦労が生んだ価値観の重み」を感じる一冊であり、自分が今後仕事を続けていく上で、目指すべきスタンスモデルとなる言葉とも出会えた一冊でした。
◆推奨ターゲット
・「協調性がある」と言われる人
・「自分の人生を生きている」という実感が持てない人
◆1分要約
・自身の幸せを失わずに、「後悔しない働き方」を実現するための5つの提案。
・①長時間労働をしない。→頑張り方を間違えずに、ミッションを意識して「しないこと」を見極める。
・②こなすだけの仕事をしない。→楽しみを探さず、今していることを楽しむ。それにより、人生の主導権を取り戻す。
・③家族を犠牲にしない。→職場に家庭のことを持ち込むべき時は持ち込む。
・④平社員のままでいない。→プライベートを犠牲にしないタイム・マネジメント能力を持つ。
・⑤目標を一つに決めない。→将来の選択肢は常に複数持ちながら、人生というミッションを楽しむ癖をつけておく。
・「すること」ではなく、「しないこと」や「捨てること」を決める。
・不安定な時代だからこそ、自分で自分のセーフティネットを構築することが大事。
◆共感点
おわりに(p190) より
もし私がほかの人と比べて、独自のモノや見方や考え方ができているとすれば、常に他人がどう思うかではなく自分はどうしたいかを優先させて生きてきたからだと思います。
他人の目を気にして、周りに合わせて生きていたら、私自身も型にはまった思考や発想しかできなくなっていたことでしょう。
「人に合わせることよりも、自分の生き方を優先していたら、周囲から浮いてしまうのではないか」と思われるかもしれませんが、逆に「あの人のあの発想はおもしろい」と興味を持たれて、さまざまな人との出会いのチャンスが広がっていきます。
出る杭は打たれますが、出すぎた杭は打たれないのです。自分を偽らずに生きることができて、しかも人間関係も豊かになっていくのですから、こんなに楽で、楽しいことはありません。
いや、本当にその通りだと思います。
協調性を持つことは大事ですが、それ以上に自分の意思・意志を持って行動することの方が100倍大事だと思います。それに、イエスマンだけの組織は絶対につまらないし、今後発展しないような気がします。
個人的には、何だか自分の生き方が肯定されたような気がして凄く嬉しかったです。(勿論佐々木さんほどではありませんが)
また、本書では様々なデータも引用されているのですが、特に衝撃を受けたのは、世界価値観調査の「人生における選択の自由度」という項目でした。
「あなたは、ご自分の人生をどの程度自由に動かすことができると思いますか?」という質問に対して、回答者に「まったく自由にならない(1点)~まったく自由になる(10点)」の範囲で点数を付けてもらったところ…なんと、日本は94ヵ国中77位でした。更に、OECD加盟32ヵ国の中では最下位なのだとか…(平均点5.755)
悲しいですね。日本よりも経済的に豊かでない国や、言論の自由がない国がいくつも含まれているにもかかわらず、です。誰の人生を生きているのかと聞かれたら、当然自分の人生を生きているはずですよね。
これから70歳まで働く時代が到来する中で、佐々木さん自身が後悔した経験も踏まえながら、僕らがどうやって「働く」と向き合っていくべきか、そのヒントとなる要素がいっぱい詰まった一冊でした。
転職前に読むことができて良かったです。